令和2年。56年ぶりに開催された東京オリンピックに日本中が熱狂していた。国内最大の国際拠点である第二東京国際空港もまた、例年以上の賑わいをみせている。そんな中、華やかなアスリートたちの活躍の影で、ひっそりと海外メディアの注目を集めた家族が居た。『千年(ちとせ)』の表札がかかったその家は、第二東京国際空港・滑走路の延長線上にある。この一軒の家の為に、第二東京国際空港は未完成のままでの運用を余儀なくさ
今回、あやめ十八番が取り上げるのは『活動写真の世界』。無声映画全盛の時代、日本では活動弁士と呼ばれる映画説明者が大活躍していました。日本では……と書くのは、この活動弁士という仕事が話芸に秀でた日本固有の文化であった為です。そんな彼らも、トーキー映画の台頭と共に、徐々にその活躍の場を奪われていきました。本作『六英花 朽葉』では、大正・昭和を舞台に活躍した活動弁士たち全盛の夏と、衰退の秋を描きます。
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歌舞伎演目「東海道四谷怪談」を元に、本作が「仮名手本忠臣蔵」のサイドストーリーであることから、この2本を綯い交ぜにし、歌あり踊りありフィナーレあり、ジャズナンバーのミュージカル仕立てで上演。日本の夏の風物である四谷怪談が、忠臣蔵の討ち入りとクリスマスの喧騒で、邪魔もの扱いされる幕切れは花組芝居ならではで、劇団屈指の名作である。塩冶判官が高師直を殿中で刃傷に及び、塩冶家は断絶。浪人となった民谷伊右衛
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三島由紀夫没後五十年 プラス1
愛が見せる地獄・芸術という名の狂気。この世ならぬ様を描かんとする絵師の執念に、美しき乙女は命を差し出し業火の贄となる。幼年期の三島由紀夫が芸術と美への感性を育む素地であった歌舞伎。そのオマージュである「三島歌舞伎」の第一作『地獄變』、極彩色の世界を花組芝居が総力を挙げてネオかぶきへと昇華する!時は平安の頃。絵師・良秀は、天下一の腕前だと都で評判を得ていたが、高慢で変わり者だと噂される男だった。彼に