復帰50年企画・共同制作
「大戦の末期に戦場となり、尊い多くの人命を失った沖縄の地は、戦後長きにわたって米国の政権下に置かれてきたのでありますが、今日以降私たちは同相相寄って喜びと悲しみをともにわかちあうことができるのであります。」これは、沖縄復帰記念式典で当時の首相佐藤栄作が行った式辞だ。タクシー運転手をしながらサトウキビ農家を営む波平誠二は、たまたま乗せた客をわが家へ招き、サトウキビの収穫を手伝ってもらうことにする。娘
祈りのナガサキを舞台に紡がれる母と息子の命の物語。2021年夏、ヒロシマ(『父と暮せば』)、オキナワ(『木の上の軍隊』)に続き、ナガサキを描くこまつ座「戦後"命"の三部作」第三作が待望の再演。井上作品の担い手として数多くの作品を手掛ける演出の栗山民也、情感豊かな演技で陰陽併せ持つ母親像を表現した母・伸子役の富田靖子、母への想いを熱量豊かに演じた息子・浩二役の松下洸平。井上ひさしの遺志を受け継いだス
路上
雑遊オープンの頃からひらひらと続けてきた、川村毅・新作+小林勝也・主演<都市を彷徨う男が巻き込まれる形而上的スラプスティック・コメディ>路上シリーズ。2020年 劇場の灯が消えCovid 19厳戒態勢の中、雑遊にて上演した新作『路上5―東京自粛』から2年半。あの新宿の根無し草、村上・田宮・セシルが帰ってきた! 劇作家たちの場として、雑遊にて2022年一年間を掛けて開催したT Crossroad 短
ノルウェーの国民的劇作家、ヘンリック・イプセンの名作戯曲を上演。舞台はノルウェー西部のフィヨルドに臨む名士アルヴィング家の屋敷。十年前に他界したアルヴィング大尉の功績を讃える記念式典の前日、牧師のマンデルスは、信仰に背を向けて生きる未亡人が、信仰深かった夫の名声に傷をつけていると非難する。しかし彼女は、夫の私生活が救いようのないほど堕落していたこと、そして一人息子オスヴァルのため、世間にはそれを隠
遊戯空間 シアターΧ提携公演
東日本大震災直後、福島在住の詩人和合亮一がTwitterで投稿した「詩の礫」は世界に拡散され大きな反響を呼んだ。震災以前からの旧友である篠本賢一は震災4ヶ月後にそれを舞台化して東京で上演。本作はそれから2年後、新作詩「廃炉詩篇」を舞台化したものである。原発廃炉の問題、放射能、汚染土、被災者たちの苦しみ、収束を見せぬ多くの課題に被災者の立場で向き合う詩人の声を、現代音楽と俳優の言葉、身体で劇化した作
がん医療の世界で、異端であり、批判され続け、申請から45年も経ても未だに中央薬事審議会から認可の降りない「丸山ワクチン」。がん治療の最後の砦として、望みを託す患者は後を絶たない。舞台は片田舎の小さな医院。経営方針と医療方針の違う親子。この「丸山ワクチン」と二人の確執を通して現代の医療を問い、医学界のタブーを描く。内藤裕子の新作書き下ろし。
研究者、活動家、学生、 旧東ドイツの市民など、国籍も職業もさまざまな人々がその実人生と『資本論』とのかかわりについて語るパフォーマンス。ステージには大きな本棚(そこには大量の「資本論」文庫版が並ぶ)が設置され、出演者はその中に腰掛けたり、時には棚から顔だけ出したりと、常にリラックスしたムードを漂わせている。ギャンブル依存症患者や投資詐欺で訴えられたコンサルタント、政治犯を父に持つマルクス研究者……
「私は東京生まれです」「2020年のオリンピックを歓迎します」「今年セックスをしていない人」…。「はい」か「いいえ」か、さまざまな問いかけに応えて舞台上を移動し、時には自らの経験や考えをマイクの前で語るのは、東京都の人口統計(国籍、年齢、性別、居住区、世帯構成)を反映した100人の市民。 23区を「代表」 する彼らが劇場空間に描き出した「トーキョー」は、 この都市の標準的な姿か、演じられたイメージ