「汝殺すことなかれ・・・また、おのれの如く汝の隣人を愛すべし」このイエスの言葉を素朴に信じて召集を拒み、戦争に反対した片倉友吉。彼は、名もない一介時計工場の労働者である。だが、大戦の遂行か下にあっては言うまでもなく非国民扱いであり、死よりも過酷な罵倒と拷問と脅迫が彼を待ち受けていた。さらに彼だけにとどまらず、周囲の人達をも巻き込んでいった。父は自殺、弟は職を追われ暴死。そして母親が、妹が、友人たちが・・・。かつて彼を信仰に導いた賢明なる牧師、その妹、治子までもが、不幸のどん底に落ちていていった。それでも彼は、「戦争はいけないことです」とつぶやき続けるのだった。やがて敗戦—―
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団文化座は戦時下の1942(昭和17)年2月26日に結成される。同年4月第1回公演梅本重信作『武蔵野』で旗揚げ。敗戦間際の昭和20年6月、日本の現代劇の紹介という名目で満州に渡り2か月後に敗戦を迎え、一年間の難民生活を経て帰国。以来、「戦争と日本人」にこだわった作品、日本の底辺に生きる人々に寄り添った作品、現代を映す鏡となる現代劇を生み出し続けている。
時は江戸末期から明治にかけて。常陸の国の水呑み百姓・仙太郎はあまりの凶作に年貢の減免と取立の猶予をお上に訴えるが、この地の有力者・北条の喜平はそれを許さず、彼を村から追い出してしまう。復讐を誓った仙太は江戸で剣法を学び、博徒となって故郷へと戻る道すがら、ひょんなことからとある茶屋で頼まれごとをされ、それをきっかけに水戸天狗党絡みの騒動へと巻き込まれていく。仙太の剣の腕と男気を目の当たりにした党から
カナダはオンタリオ州にある農村。実家の農場を父親ジャックから買い取り引き継ぐため、ジョーは新婚間もない妻のアリスとこの地にやってきた。トレーラーハウスで仮住まいを始めるもアリスは弁護士の資格を取るため忙しく、ジョーは簡単に昼食を済ませると再び農作業に出かけていく。そこへジョーの母親モーリンが訪ねてくる。素朴で田舎気質丸出しのモーリンと都会育ちでインテリのアリスはなかなか噛み合わない。やがて・・・。
昭和十六年、、若狭の堀口家では、当主文蔵の野辺送りが行われていた。うるし取りで一代の財産を築いたにもかかわらず、放蕩の血が、いつしか体内を蝕んでいたのである。そんなおりもおり残された妻りんのもとへ、二人の若者が訪ねてくる。文蔵が舞鶴の女に産ませた富吉と、弟の千太である。日陰の身であった下駄職人の富吉を憐み、りんは実母のような労りを見せる。富吉もりんの優しさに応え、下駄作りに励むのだったが、その心に
今も昔も津軽富士、お岩木山は津軽の衆の守り神。おいわきさんのそれはそれは大きな池がありました。戦乱の世が続き、織田・豊臣・徳川と天下が移り変わるなかで、平穏だったこの土地にもさまざまな人やものが流れ込んできました。ところで、この池に住む「てながえび」のてはどうしてこんなに長くなったのか――。この池にやってくる人間や、池に棲みついた「あししばり」という妖怪が登場する幻想的な物語は、なんとも愉快なほの
