五歳の時に母親と生き別れ、父親を失い天涯孤独の身でやくざ者となった番場の忠太郎。江戸まで来て、柳橋の料亭で女将をしている女性が自分の母親・おはまだと知る。しかし突然現れた忠太郎におはまは、どうせ金目当てのヤクザな渡世人としか取り合わず、息子は死んだと必死にすがりつく忠太郎を無常に突き放した。忠太郎は落胆して去る。目を閉じれば優しい母親の姿が瞼に浮かぶ…。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
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結城座は江戸時代の寛永12年(1635年)に初代結城孫三郎が旗揚げいたしました。それから380年を超える長い年月を経て、現在 『国記録選択無形民俗文化財』『東京都の無形文化財』に指定されている、日本唯一の伝統的な「江戸糸あやつり人形」の劇団です。
東海道中膝栗毛弥次郎兵衛と喜多八の珍道中を新内界のホープ、多賀太夫の弾き語りにのせてコミカルに展開します。本朝二十四孝上杉家の息女、八重垣姫の一途な恋の力が生み出す、奇跡の物語です。
2002年から結城座が参加した日仏共同制作『屏風』。フランスの国立劇場での初演後、数多くの演劇祭や劇場に招待されました。そのコラボレーションのパートナーとなったフランスの演出家、フレデリック・フィスバックと結城座は、創立375周年記念第2弾としてシンガポールの劇作家・郭宝崑の代表作『宦官提督の末裔』を上演します。公演には大久保鷹と花組芝居の加納幸和をゲストに迎え、結城座の人形遣いたちと共演します。
「きりしとほろ上人伝」は芥川龍之介の童話を武智鉄二の演出により浪曲人形劇にしたもので、狂言の茂山七五三が演じた「レプロボス」という身丈三丈もある無心の大男が世の中で一番偉い人に仕えようとしてたどる人生修行のお話。芥川の文学作品に浪花節の節付けをし、糸あやつり人形に人間をからませた浪曲劇は当時まったく新しいものであり、「新しい叙事詩劇の発生に道をひらいた」と評された。
貧しい家の娘、お菊は弟の文弥が幼い頃、石の上に誤って落としてしまい失明させてしまう。その償いにお菊は吉原へ身売りして、作った百両の大金を文弥にもたせ、京へ上らせて座頭の官位を取らせようとする。途中の鞠子宿で仁三は文弥の大金を狙うが、十兵衛に取り押さえられる。文弥と十兵衛が宇都谷峠まで来たところで、十兵衛は初めて大金のことを知り、自分の主人のために借金を申し入れするが断られてしまうのだった。