青年座・セレクションvol.3
青年座・セレクションvol.3
明治三十年代の大ヒット小説、徳富蘆花作『不如帰』。劇団新派によって舞台化され、瞬く間に大盛況となった。まるで昼ドラのような愛憎劇は涙を流さずにはいられない。話題は話題を呼び、ついにモデルと言われる片岡中将一家の耳にも入ってきた。怖いもの見たさも手伝って、一家で観劇する事に。舞台と片岡家の現実が混ざり合い、奇妙に一致していく。日本全国の女性が涙した悲恋物語に隠された真実とは…。モデルとなった人々の想いとは…。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
(フライヤーより)お寺の池に棲む蛙たちにとって、百舌やねずみや蛇たちは、生命をおびやかす憎い敵であった。何故こういう目にあいつづけるのか──。頭をかかえこむばかりの老蛙たちをにがにがしく思っていたブンナは、持ち前の行動力を活かして、憧れの空をめざし、椎の木に登る。しかしそこで彼が見たものは、それまで自分の敵であった百舌やねずみや蛇たちが、無残にも鳶の食糧となり死んでゆく姿だった。敵の上にはさらに大
劇団青年座創立四拾周年記念公演:1
平将門をめぐる権謀術数に明け暮れた男達の汗と血潮と、そこにからみつく女達の激情に翻弄された人々の愛のものがたり。京都に壮大な平安文化を繰り展げてきた公家社会にしのびよる新しい勢力、武力をもってその存在を中央に認識されようとする時代に将門は生きた。いつの時代にも大きな転換期に登場する英雄にまつわるものがたりは哀しい。しかし、人々は、地にへばりついて生きながら、彼等のものがたりを語り継いできた。それは
夏目漱石の『坊ちゃん』が舞台になります山嵐、野だいこ、うらなり、マドンナ、狸、赤シャツお馴染みの登場人物が活躍する青春活劇しかし、『赤シャツ』には肝心の坊ちゃんは出てきません主人公はあの男の風上にも置けない嫌な奴、赤シャツなのです時は今から百年前日本海海戦で日本がロシアバルチック艦隊を撃滅した明治三十八年所は四国辺のとある城下町坊ちゃんにかわって主役の座についた赤シャツその登場の秘密とは…
東京下町、戦前からの老舗甘味処「笹本」。女将・諒子はかつて広告代理店に勤めるキャリアウーマンだった。時代はバブル景気真っ只中、男と肩を並べバリバリ仕事をこなし恋も遊びも贅沢に楽しんだ。四十を目前にした頃、両親が相次いで亡くなり、ようやく立ち止まった諒子。気づけば恋の相手は皆結婚、バブルも終わりお祭り騒ぎの毎日は終わった。諒子は退職し、両親が残した店を継ぐ決意をした。それから十数年、この小さな町での