他のジャンルと競い合うことのなかった時代に幸せな演劇人生を送ってきた舞台女優の母親と、演劇はもはや求心力を持たないとする夫との間で揺れる娘。これは社会と演劇、生きることと愛することの意味を探る芝居。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団民藝は1950年4月3日に創立(前身は1947年発足の民衆芸術劇場=第一次民藝)。築地小劇場、新協劇団など「新劇」の本流を歩んできた滝沢修、清水将夫、宇野重吉、北林谷栄らによって「多くの人々の生きてゆく歓びと励ましになるような」民衆に根ざした演劇芸術をつくり出そうと旗あげされました。2000年からは大滝秀治、奈良岡朋子が代表をつとめ、現在は小杉勇二、樫山文枝、日色ともゑ、丹野郁弓を中心に、劇団ならではの層の厚さを生かしたアンサンブルによる密度の濃い舞台づくりをめざしています。
戯曲の達人、小幡欣治の書き下ろし。2004年初演。戦前の昭和、浅草で生まれ育った小幡が望郷の思いを込めた傑作です。大滝秀治、奈良岡朋子、日色ともゑの共演が話題を呼びました。還暦を過ぎて隠居した浅草っ子のおじいちゃん、結婚したいと言い出した。相手は二十も若い吉原の花魁あがりとか。一男四女の家族会議はすったもんだの大騒ぎ。父親思いの長女が訪ねていくと、役者たちも出入りする浅草の十二階下のカフェのママで
1971年渡辺浩子演出で本邦初演したアーサー・ミラーの代表作を、倉橋健新訳、滝沢修の新演出で上演。全国42都市、98回公演。
新劇から出発して新派で活躍した初代・水谷八重子。初演は水谷八重子十三回忌追善・新派特別公演として1991年に上演された井上版〈昭和と女優〉ともいえる傑作戯曲を、初の民藝+こまつ座提携で客演も迎えて上演。舞台は戦前から戦後にかけての台東区柳橋。とある病院で新派を愛する人びとによって語られる八重子の芸と生きざまが井上ひさし流のユーモラスな筆致で活写され、新派劇の代表的な舞台や名台詞も散りばめられて物語
津軽に縁ある奈良岡朋子のために、青森県で高校教師の顔をもつ劇作家畑澤聖悟が書き下ろした意欲作。カミサマとは津軽に存在する民間祈祷者のこと。自分の守護神と対話しながら相談者にアドバイスを与え、人びとの心を「癒し」に導いていきます。まだ雪の残る津軽。カミサマ遠藤道子のもとへは家庭の悩みごとを抱えた人びとがひっきりなしに訪れます。しかし道子には何年も音沙汰のない息子がいました。その息子がある日突然あらわ