最も多感な年頃で自由を奪われ、飢えに苦しみながら、隠れ家で日記を綴り続けた少女アンネ・フランク。劇団民藝では1956年の初演いらい数々の賞とともにロングランを記録しています。1979年から80年にかけて滝沢修の新演出により、学校公演と文化庁移動芸術祭をふくむ上演を各地で重ねました。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団民藝は1950年4月3日に創立(前身は1947年発足の民衆芸術劇場=第一次民藝)。築地小劇場、新協劇団など「新劇」の本流を歩んできた滝沢修、清水将夫、宇野重吉、北林谷栄らによって「多くの人々の生きてゆく歓びと励ましになるような」民衆に根ざした演劇芸術をつくり出そうと旗あげされました。2000年からは大滝秀治、奈良岡朋子が代表をつとめ、現在は小杉勇二、樫山文枝、日色ともゑ、丹野郁弓を中心に、劇団ならではの層の厚さを生かしたアンサンブルによる密度の濃い舞台づくりをめざしています。
『熊楠の家』は戯曲の達人小幡欣治氏が、南方熊楠の後半生を人間味豊かに描き、第19回菊田一夫演劇賞を受賞しました。『根岸庵律女』、『浅草物語』など小幡氏が劇団民藝に書き下ろした9作品のうちの記念すべき1作目。1995年初演の本作は2017年に丹野郁弓の新演出で上演。熊楠とその家族たちに光をあてた、ユーモアあふれる評伝劇。
深沢七郎の名作「楢山節考」を北林が新しい視点から自在に劇化。三谷昇、加藤土代子が客演。
他のジャンルと競い合うことのなかった時代に幸せな演劇人生を送ってきた舞台女優の母親と、演劇はもはや求心力を持たないとする夫との間で揺れる娘。これは社会と演劇、生きることと愛することの意味を探る芝居。
マサチューセッツ州セイラムでの魔女裁判を描いたアーサー・ミラーの傑作戯曲。1962年民藝により日本初演した代表的な演目を新訳、新演出により14年ぶり3度目の上演。