髙山さなえの尼崎市第7回「近松賞」受賞戯曲を平田オリザが演出する。
「だまされたことさえ、忘れてしまえるなら・・・」
山深い田舎の集落。馬留徳三郎と妻のミネは二人でここに住んでいた。
近所の認知症の年寄りや、介護施設から逃げて来る老人達が馬留家に集まり、仲良く助け合いながら生活していた。
ある夏の日、徳三郎の息子、雅文から久しぶりに電話がかかって来た。
仕事でトラブルがあり、部下が間もなく馬留家に訪れると言うーー。
とある小さな集落の、何気ない日常が、人間の心をあぶり出す。
平田オリザを中心に1982年に結成された劇団。こまばアゴラ劇場を拠点とし、 平田オリザが提唱した「現代口語演劇理論」を通じて、新しい演劇様式を追求。この演劇理論は1990年代以降の演劇界に強い影響を与え続けている。 また、複数の演出家、劇作家、多数の俳優を有し、日本では珍しい「シアターカンパニー」として活動を続けており、若手アーティスト育成の場としても着実な実績を上げ、才気あるアーティストを多く輩出している。 2020年に劇団の機能を兵庫県豊岡市に移し、豊岡から演劇作品を創作・発信している。
1929年10月24日、ソウル。篠崎文房具店にも大衆消費社会の波が押し寄せ、新しい経営感覚が求められていた。この家の長女に求婚したアメリカ帰りの新進企業家。精神を病んで、入退院を繰り返している長男。エリートとして総督府に勤めながらも植民地支配への協力に悩む朝鮮人書生。満州へと向かう道すがら、京城を通り過ぎる謎の若き芸術家集団。関東大震災以来の重苦しい不景気を打開するため満州への進出を企てる日本国家
舞台は近未来の美術館。ヨーロッパでは大きな戦争が起こり、そこから避難してきた絵画を前に、家族や恋人たちが、両親の世話や相続問題、進路や恋愛などについて断片的な会話を繰り返す。遠い戦争という大きな背景を前に、日々の生活を送る現代人の姿が克明に描写され、その中から現代社会の様々な問題点と危機があぶり出される。『東京ノート・インターナショナルバージョン』は、国際都市として変貌し、その変貌ゆえに苦悩も抱え
202×年、ヨーロッパの大戦で死亡した天才科学者の脳だけが生きのこる。その脳の受け入れを巡って延々と交わされる先端科学の議論と膨大な無駄話。
高原のサナトリウムで静養する人、働く人、面会に訪れる人…。静かな日常のさりげない会話の中にも、死は確実に存在する。平田オリザが新たに見つめ直す「生と死」。1991年初演の名作を、青年団若手公演+こまばアゴラ演劇学校“無隣館”修了公演として9年ぶりに再演。