髙山さなえの尼崎市第7回「近松賞」受賞戯曲を平田オリザが演出する。
「だまされたことさえ、忘れてしまえるなら・・・」
山深い田舎の集落。馬留徳三郎と妻のミネは二人でここに住んでいた。
近所の認知症の年寄りや、介護施設から逃げて来る老人達が馬留家に集まり、仲良く助け合いながら生活していた。
ある夏の日、徳三郎の息子、雅文から久しぶりに電話がかかって来た。
仕事でトラブルがあり、部下が間もなく馬留家に訪れると言うーー。
とある小さな集落の、何気ない日常が、人間の心をあぶり出す。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。
平田オリザを中心に1982年に結成された劇団。こまばアゴラ劇場を拠点とし、 平田オリザが提唱した「現代口語演劇理論」を通じて、新しい演劇様式を追求。この演劇理論は1990年代以降の演劇界に強い影響を与え続けている。 また、複数の演出家、劇作家、多数の俳優を有し、日本では珍しい「シアターカンパニー」として活動を続けており、若手アーティスト育成の場としても着実な実績を上げ、才気あるアーティストを多く輩出している。 2020年に劇団の機能を兵庫県豊岡市に移し、豊岡から演劇作品を創作・発信している。
青年団プロデュース公演
(フライヤーより)別役実氏の名作『マッチ売りの少女』を大胆に翻案し、さらに『AとBと一人の女』『象』といった初期作品群から、台詞を多数引用、コラージュする形で作品を作り上げる。初老の夫婦の食卓を、次々と訪れるマッチ売りの少女たち。その少女たちと、夫婦を中心とした街の人々との奇妙なやりとりを軸に、市民社会の脆弱さが浮かび上がってくる。
フランスを代表する劇作家・演出家パスカル・ランベールと、平田オリザ率いる青年団との国際共同制作作品。ランベールはジュヌヴィリエ劇場の芸術監督時代に、数多くの日本の演劇人たちを招へいし、日本の現代演劇の魅力をフランスに紹介するとともに、今日に至るまで定期的に来日、日本各地の劇場にて作品を発表。とりわけ平田とは信頼関係を築き、「青年団」の拠点・こまばアゴラ劇場との協働プロジェクトを数多く実現させてきた
かつて世界一周自転車旅行を成し遂げた平田オリザが15年の歳月を経て発表した意欲作。16歳の旅の記憶を再現してインスタンブールの日本人旅行者たちの不可思議な生態をきめ細かく描く初の自伝的作品。
1939年11月、ソウル。日中戦争からすでに二年が経過し、日本国自体は、長期にわたる戦争状態という泥沼にのめり込んでいた。一方、30年代中盤から始まった好景気、軍需景気の影響を受け、満州への中継点としての役割を担う京城は、虚構の繁栄を謳歌する。国家総動員法の制定、欧州での世界大戦勃発、迫り来る軍靴の音に耳を澄ましながら、篠崎家の人々はつかの間の恋愛に身を焦がす。