舞台はとある関西地方都市。時は1月3日、4日の両日。
超高層団地にある小さな空き地。荒れ放題のその場所は誰が言うともなく「こやまさんちのにわ」と呼ばれている。
そこに集う団地の住人。お互いの名前も知らず職業も分からない。ただ彼らの間をつなぐのは、この場所をめぐるたわいもない噂話。
団地内で今夏起きた三件の殺人事件は未だ解決をしていない。登場する住人たちは皆、死の影とセックスの匂いをはらんでいる。現実感覚を欠く主人公の青年は殺人犯に疑われるうちに、自分が犯人かどうかわからなくなっていく。
建物の影となって昼なお暗い「こやまさんちのにわ」で繰り広げられる荒涼とした現代人の精神風景、人間性の暗部を深く静かに見つめた物語。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1992年深津篤史を中心に旗揚げ。関西を中心に活動。
他者と個人の関係性、そのひずみや断絶を描くことで、現代に生きる人々の孤独や喪失感を表現する。
主宰の深津篤史は’98年に『うちやまつり』で岸田國士戯曲賞受賞。
演出家としても'05年読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。
2014年に46歳で肺がんにより他界。
その後、代表をはたもとようこが務め、劇団は存続している。
