源平合戦後も平家残党が生き延びていたという設定のもと、平家武将たちと源 義経の“その後”を描いた「義経千本桜」は全五段の傑作長編。その二段目「渡海屋・大物浦の場」は、海に身を投げて自害したはずの平知盛が、船宿の主人となり義経に復讐を企てる物語です。変わりゆく時代の中、変わらぬ信念で戦った知盛の姿は、今どんな相貌をもって現れるのか。平成から令和の改元、疫病による日常の変化を受けての2021年版を演出
「25年前の俺たちが、今の俺たちを見たらどう思いますかね」時代の狭間に生きる哀歓を描く、 ケラリーノ・サンドロヴィッチの新境地!1993年、バブル景気が終息した日本。旅行会社を経営する赤本建三(三宅弘城)は、東京郊外の一軒家に妻の亜子(坂井真紀)と娘の桃子(根本宗子)と住む。家には亜子の弟・光吉(赤堀雅秋)が居候し、その元妻・浩子(新谷真弓)が夜な夜な訪れる。だがある深夜、七ツ森豊(安井順平)の死
ナイロン100℃流、サスペンス×ナンセンスの波状攻撃ブラック企業社長失踪事件の真実に探偵はたどり着けるのか鍵を握るのは謎のメッセージ──「今日は集合の日だ」とあるビルディングに入る会社で起きた社長失踪事件。室長の目崎(三宅弘城)、黛(大倉孝二)、その妹(鈴木杏)、若手の道下(岩崎う大)ら社員たちは社長の身を案じつつも、昼下がりのビルの屋上でのんきに過ごしている。刑事の森(みのすけ)もおざなりな捜査
音 も 立 て ず に 世 界 は 終 わ ろ う と し て い る一瞬だけ空が緑色に輝いてからというもの地球には異変が起こりはじめた。すべての犬が散歩に行かなくなり、猫は左にしか曲がらなくなった。すべての花は自ら捩じれて茎にこぶ結びをつくるようになり、カエルはそれまでの倍以上跳ね上がるようになった。電柱の足場のボルトはどうしてだろう確実に以前より延び、すべての道路標示はさらさらと粉になって方方
(パンフレットより)「マームとジプシー的、真夜中の考察と、季節の移り変わりとは無関係に、移行していく真夜中のイメージ。で、朝は訪れるのか、どうか、っていう。」というわけで、今回は、真夜中、という時間にだけに取り組んだ、でもしかし、果たして、この真夜中に、朝は訪れるのか。今夜もまた、夜が明けないまま、朝を迎えることになるのだろうか。僕は、これからも、終わることのない真夜中、を、行くのだろうか。また、
2008年の初演以降、全国各地で上演され続けている柴幸男の代表作でありマスターピース。《歩く》ことから浮かび上がる一人の女性の「はじめの一歩」から「さいごの一歩」までを、数人の俳優が入れ代わりながら歩き続け演じていく。本映像は、2011年に上演された横浜赤レンガ倉庫での公演を収録。
2007年に多重録音を発想の起点として創作された、柴幸男初期の短編演劇『反復かつ連続』。ひとりの俳優が演技を重ねることである家族の朝の風景を描き出す。13年振りの再創作、そして劇団初のオンライン演劇作品として上演された。
人が生まれてから死ぬまでの約100年、星が誕生してから消滅するまでの約100億年。時報を合図に、団地で暮らす一家と星の一生を重ね描いた、柴幸男の代表作。2009年の初演で第54回岸田國士戯曲賞を受賞し、2011年の再演では全国6都市ツアーを敢行。2015年には東京と小豆島の2都市で再々演を行った。ゼロ年代演劇のマスターピースにしてクラシック。
2人の女。20年前。家庭にインターネットが普及した時代。匿名掲示板──。全く違う場所で生まれ育った女性2人が、インターネットで出会う。誰にも話せなかった家庭と世間に挟まれていた2人は、ようやく打ち明けられる場所をネットの中に見つけた。記憶の世界をぐるぐると巡りながら、それぞれの身に起こる出来事を経て、とある決断を下す現在までの20年間を描く。
向井川淋しいが、初めて演劇をやったのは小学校4年生のころだったのね。っていっても、あたしはこのころまだ淋しいと出会ってないから、本当にそうだったかは知らないんだけど……。あたしが淋しいと出会うのは、もう少し先の未来。つまり、いまから話すのは、淋しいにあとから聞いたことと、あたしのこうだったらいいなって願望がミックスされた物語。だから、正確には『向井川淋しいが、初めて演劇をやったのは小学校4年生のこ
いつ高シリーズvol.7
この雪が止むまで、図書室にいよう。テーブルを本でいっぱいにして、つまみ食いみたいにちょっとずつページをめくりながら過ごそう。朝についての印象的な書き出しからはじまる女子高生の話、気だるそうな主人公が日常のちょっとした謎を解いていくミステリー、異世界に転生したら全部うまくいくファンタジー。お気に入りのセンテンスを拾い集めながら代わる代わる本を読んで いく。そのうちウトウトしはじめて、気づいたら睡眠。