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平家女護島 鬼界ヶ島の場
近松門左衛門の晩年の作『平家女護島』。その二段目にあたる『俊寛』。歌舞伎時代物の様式美と激しいドラマが一体となって胸に迫る一作。 平清盛の専横に怒りを抑えかねていた俊寛らは謀反を理由に流罪に遭います。三年後のある日、船がやって来て赦免状が届けられますが、俊寛の妻・東屋が清盛に殺されたと知らされて……。 中村翫右衛門、中村梅之助らが演じ継いできた俊寛を、満を持して藤川矢之輔が演じます。
椿組2016年夏・花園神社野外劇
ご存知鶴屋南北の「東海道四谷怪談」。作家・立松和平が脚色した台本を西沢栄治が再構成演出。随所に歌舞伎の醍醐味を意識しつつ、野外ならではの仕掛け満載。あの中村勘九郎にして「外波山さんあの隠亡堀のアイデアを使わせて下さい」と言わしめた演出が冴えた作品となった。お岩役は松本紀保が務め話題に。総勢31人で繰り広げられ現在に蘇った江戸の残酷美、悪の華。
舞踊公演
歴史的な文脈を踏まえつつ、斬新な切り口で歌舞伎作品を現代化してみせる木ノ下歌舞伎。本作『娘道成寺』は、2008年に『三番叟/娘道成寺』の二本立てで初演し、2012年に30分に短縮した長唄音源を用いて初上演。その後、2017年には長唄の録音音源をほぼ全曲使用した60分のフルヴァージョンとして再創作し、再演を重ねるたびに進化してきました。演出・振付・出演は、きたまり。長唄を基に、背景や心情から、演目そ
(フライヤーより)近松の、大航海の、元禄の、ギリシア神話の、青山の。―いま蘇る稀有の近松歌舞伎。
源平合戦後も平家残党が生き延びていたという設定のもと、平家武将たちと源 義経の“その後”を描いた「義経千本桜」は全五段の傑作長編。その二段目「渡海屋・大物浦の場」は、海に身を投げて自害したはずの平知盛が、船宿の主人となり義経に復讐を企てる物語です。変わりゆく時代の中、変わらぬ信念で戦った知盛の姿は、今どんな相貌をもって現れるのか。平成から令和の改元、疫病による日常の変化を受けての2021年版を演出
スタジオ200舞踏講座
土方巽による講演の音声記録。土方巽構成・演出による「東北歌舞伎計画」は、芦川羊子と東北歌舞伎研究会による踊りに、講演やスライド上映などを交え、<スタジオ200舞踏講座>として1985年3月、6月、9月、12月に計4回行われた。講演は、第1回に合田成男と大岡信、第2回に馬場あき子と宇野邦一、第3回に榎本了壱と土方巽、第4回に長尾一雄が登壇。土方は病気のために第4回への立ち合いが叶わず、翌年1月に死去
元は、歌舞伎演目『摂州合邦辻』の「合邦庵室の場」。全編で竹本浄瑠璃が語られる中、物語をインドの神々の住む天上界に置き換えて、母から実子への邪恋、継子の母恋慕、嫁女と継子の不倫関係など、人間関係に更なる愛憎を盛り込み、換骨奪胎。ご見物からの人気も高く、劇団の節目での再演も数多い傑作だ。天上界では、最高神シヴァ神が突然の崩御。跡継ぎには、カーリーとの実子で第2子のインドラが選ばれる。第1子のシッダルタ
末永く上演されるレパートリー作品を劇場が生みだすべく、ロームシアター京都が主体的にプロデュースする事業として、2017年度から開始したプログラム「レパートリーの創造」の第一弾となった本作。2015年に、監修・補綴・主宰の木ノ下裕一と、演出の糸井幸之介のタッグで初演された『心中天の網島』を、2017年ヴァージョンとして再創造(リクリエーション)した公演。【あらすじ】大阪天満の紙屋主人・治兵衛は、
第1部「富美男とピン子の泣いて笑って霧の雨」では、梅沢富美男が脚本、構成、演出を担当、さらに劇中では2役を演じる。相手役は舞台では初共演となる泉ピン子が務め、豪華かつ魅力的な組み合わせとなっている。第2部「梅沢富美男歌謡オンステージ」では、1982年に48万枚のセールスを記録し、翌年NHK紅白歌合戦に初出場を遂げた代表曲『夢芝居』から新曲まで、バラエティーに富んだラインナップでお届けする。加えて、
歌舞伎十八番の内
平家を滅ぼし、大功を立てた源義経は兄頼朝の勘気を受け追われる身となる。舞台は奥州の加賀国、安宅の関所。関守は英知優れる富樫左衛門である。関所の役人らの目をくらますため、家来の弁慶と四天王は山伏の姿となり、主君の義経は強力(荷物持ち)に身をやつした。が、一行は呼び止められ、山伏ならば、勧進帳(東大寺再建のための)を持っているはず、読み上げよと命じられる。何とかその場を繕わねばと、弁慶は持ち合わせの巻
歌舞伎演目「東海道四谷怪談」を元に、本作が「仮名手本忠臣蔵」のサイドストーリーであることから、この2本を綯い交ぜにし、歌あり踊りありフィナーレあり、ジャズナンバーのミュージカル仕立てで上演。日本の夏の風物である四谷怪談が、忠臣蔵の討ち入りとクリスマスの喧騒で、邪魔もの扱いされる幕切れは花組芝居ならではで、劇団屈指の名作である。塩冶判官が高師直を殿中で刃傷に及び、塩冶家は断絶。浪人となった民谷伊右衛
(フライヤーより)──木曽谷からすい星のように現れて、源氏旗あげの先鞭をつけた義仲は、粗けずりでいかにも人間くさい野性そのままの男。〈男をひしぐ武勇の美女〉の伝説で知られる正室の巴御前は、妻として、母としての喜びと悩みに生きる女でもあった──。──最新の舞台機構を変幻自在に操って描き出す人間模様の大絵巻──。晩秋の青山ストリートに、琵琶法師あらわる。
一般的に「勧進帳」は、弁慶が命がけで主である義経を守る姿に心を打たれた富樫が、ついに関を通過させることが物語の核となり、そこに至るまでの三人の攻防が眼目とされています。木ノ下歌舞伎では、原作でいわゆる脇役として扱われる関所の番人や義経の家来たちにも光を当て、彼らがそれぞれの境界に戸惑いながら生きる姿や、境界を超えようとして起きる摩擦を描き、弁慶・義経・富樫のドラマからすべての人間の<境界をめぐる物
ロームシアター京都が主体的に作品製作に取り組み、劇場のレパートリー演目として時代を超えて末永く上演されることを念頭にプロデュースする「レパートリーの創造」シリーズ第二弾として、2019年2月に上演された本作。演出、補綴、キャスト、スタッフ一丸となって壮大なスケールで描いた話題作の再演。【あらすじ】大名・高安家の跡取りである俊徳丸は、才能と容姿に恵まれたがゆえに異母兄弟の次郎丸から疎まれ、継母の玉手
歌舞伎ミュージカル
井原西鶴原作の浮世絵草子を知念正文が構成脚色。身を焦がす恋に命を燃やした美しい五人の女たちを歌う舞姫、石丸有里子が見事に演じ分ける。人形振り、ひきぬき、けれん……など、あらゆる歌舞伎の手法を駆使し、日舞はもちろん洋舞、アクロバットダンス、三味線の生演奏、肉体でみせる桜の踊り、火の踊り、舞扇の群舞と、盛りだくさんのエンターテイメント作品。