同窓会に集まった5人に、ウジが言う。
「今日はちゃんと気づいてほしい。私をいじめたのは、誰だったのか」
そして5人は、高校時代の思い出を振り返る。
どれもこれも、楽しかったことばかりで。
記憶の中のウジも、目の前のウジも、ずっと笑っていて。
5人にはずっと、そう見えていて。
観客に、ウジの姿は見えない。
ウジのセリフは常に、字幕で観客に示され続ける。
彼らにとっては、その姿も、その声も、今もそこにあるままだ。
2011年に近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻の学生らで結成。作風はコメディでもコントでもなく、ジョーク。ロジカルな語り口に、シニカルな笑いを点在させることが特徴。次世代応援企画 break a leg、KAVC FLAG COMPANY 2019-2020などに選出。福谷圭祐 作『悪い癖』が第23回OMS戯曲賞にて大賞受賞。
あたしは人の話を聞かない。あたしはあまり謝らない。あたしはたびたび遅刻をする。あたしは秘密を守らない。あたしは、あたしの話しかしない。あたしの癖に。二年前と、何も変わらない。柳瀬真由が夢見るとても幸せな日常と、それとはかけ離れた毎日を、スクランブルさせつつも真正面から捻くれて描く。
大手広告代理店DK2のコンサルティング部に勤める栗宮春子が劇作家の小野司に相談したのは、「前田の刃」で有名な食品加工機器メーカーのトップ「MAEDA」で実施予定の社内結婚推進キャンペーンのインターナルコミュニケーションについてである。「男性の育児参加の推奨のために保育室を設置しました」など、対外的な情報の発信はできてるものの、結局社内であまり使われていないという課題があった。また、男女の社員同士な