一人の女が助けを求めてやってくる
家の床下に死体があるという
あなたは半信半疑で女に同行する
床下のハッチを開ける
闇
あなたは胸を撫で下ろす
目を凝らしながら言う
何もないじゃないか
あなたはハッチを閉めて
ふと身震いする
あなたの身体は気がついている
その闇に
あなたがすでに踏み込んでいることに
トリコ・Aは公演ごとにキャスト・スタッフを集め、主に山口茜の脚本、演出で演劇の上演を行う団体。
コロナ以前は実際の事件や童話などをもとにした作品創作を行なっていたが、コロナ以後、観客との真のつながりを求めて新たな脚本創作を模索している。
とある老女。彼女は周りの人間から、それぞれが見たい姿を勝手に投影され、彼女自身が顧みられることはない。一方当人は、何もわからない風でいながらしたたかに生に執着している。社会から見えない存在にされても、息をしなくてはならない、なぜなら私は、生きているのだから・・・。人生の最終章。認知症を患いながらも周りの人間との関わりの中で、自分らしく生きることを選択する、老女の物語。
トリコ・A 演劇公演2021
脳性麻痺を患う主人公は、小さな町にある小さな寺で、両親と暮らしている。彼女の定位置は大きな松の木のある庭に面した縁側。ある時は父の読むお経とともに、ある時は縫い物をする母とともに、彼女の毎日は過ぎていた。ある日、父が倒れ、彼女のもとへ初めてヘルパーがやってくる。ところが主人公は、ヘルパーとどう接して良いのかわからない。彼女は悩む。私はヘルパーに、何をしてほしいのか。そもそも私はいったい、何を望んで
