罪を犯した女の一生を辿る、滑稽ながら切ない怪作。現在活動休止中のガレキの太鼓が、「女だらけの人間賛歌」と銘打って行った。旗揚げ2年目で、口コミサイト全国4位に躍進した代表作の、再演。アゴラ劇場の前を、キャンセル待ちが長い列を作った。肩を震わせ泣いたあの子の、人生の物語ひざまずいて許しを乞えば、どこから始められるだろう私が何かをやったとて、誰に関係なんぞあるあなたが何かをやったとて、私の目には入らな
源平合戦後も平家残党が生き延びていたという設定のもと、平家武将たちと源 義経の“その後”を描いた「義経千本桜」は全五段の傑作長編。その二段目「渡海屋・大物浦の場」は、海に身を投げて自害したはずの平知盛が、船宿の主人となり義経に復讐を企てる物語です。変わりゆく時代の中、変わらぬ信念で戦った知盛の姿は、今どんな相貌をもって現れるのか。平成から令和の改元、疫病による日常の変化を受けての2021年版を演出
青山円形劇場プロデュース
120名の女子高校生が参加した「青山演劇ワークショップ」で選抜された21名が、平田オリザ戯曲特有の「同時多発」会話で繰り広げられる群像劇に挑み、話題を集めた作品。ある日、クラスにおかしな転校生がやって来た。「朝、目覚めたらこの学校の転校生になっていた」という。カフカの『変身』をモチーフに、最も多感な年頃の感性を、彼女たちの実際の生活に取材しながらユーモアたっぷりに描く。
(フライヤーより)ユニークな演劇理論と演劇様式で大きな注目を浴びている青年団。舞台に繰り広げられるのは、一見とりとめのない日常のお喋り。が、いつの間にか緻密でユーモラスな”劇的”世界の迷宮に引きずり込まれます。「新しい言文一致」に基づく「新しい現代口語ドラマ」を提唱する同劇団、『暗愚小傳』ではこの方法のもと、高村光太郎、智恵子の1910年代から40年代まで四つの時代の日常シーンを描きながら、詩人が
火野葦平の戦前のベストセラー小説『麦と兵隊』をモチーフに、砂漠の中で行軍を続ける人々を描く不条理劇。2005年の初演以来、待望の再演。この行軍は、どこまで続くのか…そして彼らは、どこに行こうとしているのか…。
1909年、夏。日本による韓国の完全植民地化、いわゆる「日韓併合」を翌年に控えたソウル(当時の呼び名は漢城)で文房具店を経営する篠崎家の一日が淡々と描かれる。押し寄せる植民地支配の緊張とは一見無関係な時間が流れていく中で、運命を甘受する「悪意なき市民たちの罪」が浮き彫りにされていく。初演以来22年、国内外で上演を繰り返し、2006年アヴィニヨンをも震撼させた平田オリザ初期の伝説的作品、待望の再上演
1929年10月24日、ソウル。篠崎文房具店にも大衆消費社会の波が押し寄せ、新しい経営感覚が求められていた。この家の長女に求婚したアメリカ帰りの新進企業家。精神を病んで、入退院を繰り返している長男。エリートとして総督府に勤めながらも植民地支配への協力に悩む朝鮮人書生。満州へと向かう道すがら、京城を通り過ぎる謎の若き芸術家集団。関東大震災以来の重苦しい不景気を打開するため満州への進出を企てる日本国家
1919年3月1日、ソウル(当時の呼び名は京城)。この街に住む日本人の一家、篠崎家の人々は、今日も平凡な日々を過ごしている。ただ、今日は少しだけ外が騒々しい。噂では、朝鮮人たちが、通りにあふれているという。篠崎家からも少しずつ朝鮮人の雇用者が姿を消していく。三・一独立運動を背景に応接間で唄い、笑い合う支配者日本人の「滑稽な孤独」を鮮明に表した渾身のシリーズ第二弾。
1939年11月、ソウル。日中戦争からすでに二年が経過し、日本国自体は、長期にわたる戦争状態という泥沼にのめり込んでいた。一方、30年代中盤から始まった好景気、軍需景気の影響を受け、満州への中継点としての役割を担う京城は、虚構の繁栄を謳歌する。国家総動員法の制定、欧州での世界大戦勃発、迫り来る軍靴の音に耳を澄ましながら、篠崎家の人々はつかの間の恋愛に身を焦がす。
ここで生きるのではない、ここで死んでいくんだ。マレーシアの日本人向けリゾート地を舞台に、日本を離れて暮らす人々の生態を克明に描く。定年移住、新しい形のひきこもり、海外雄飛、日本離脱・・・、国際化の最先端か、新しい棄民か。5年間の取材を経た平田オリザの書き下ろし。
青年団プロデュース公演
(フライヤーより)別役実氏の名作『マッチ売りの少女』を大胆に翻案し、さらに『AとBと一人の女』『象』といった初期作品群から、台詞を多数引用、コラージュする形で作品を作り上げる。初老の夫婦の食卓を、次々と訪れるマッチ売りの少女たち。その少女たちと、夫婦を中心とした街の人々との奇妙なやりとりを軸に、市民社会の脆弱さが浮かび上がってくる。
青年団プロデュース公演 vol.8
劇作家・演出家の松田正隆が、自身の生まれ育った長崎を舞台に描き、1998年第50回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した代表作。演出・平田オリザとのコンビは、前年、第5回読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞した『月の岬』に次ぐ2作めとなる。職を無くし妻に家出される主人公と、彼を取り巻く人々の心情を、何気ない会話から細やかに映し出す。
Choreographとは、規制でもあり、創造でもあります。創造は自由だとも言われますが、全ての事象は常に何かに規制されているとも言えます。例えばこの作品も横浜赤レンガ倉庫で2月に初演するということは“Choreograph” されているわけです。当然私たちの生活も規制無しには考えられません。現代は常に歴史に規制されているとも言えます。そして未来は現代の私たちによって規制されていく。それは決して不