都会の片隅に残され、今では粗大ゴミの不法投棄場と化した丈高い草の生い茂る原っぱで、予備校生のエイジは夜な夜なまっさらなキャンバスに映る影を写真に撮っている。それが彼の描く「19歳の絵」だ。ある夜、二人の男子高校生がベッドを捨てにやって来る。一緒に現れた女子高生を一人残し、彼らは去っていくのだが、やがて舞い戻ってきた男の一人・オサナイは「何してた?」とエイジに詰め寄る。エイジが女子高生・あきらと話してたと答えると「あきらは面会謝絶で入院中だ」と言う。驚いてエイジは辺りを見回すが、既にあきらの姿はどこにもなく、やがてベッドからは若い女の死体が発見される……。
少年による凶悪犯罪が激増。少年法改正の議論が叫ばれる中、果たして少年たちは社会を見切った確信犯なのか? それとも、なじめない社会から犯罪へと流された弱き者なのか? 10代の若者に蔓延する閉塞感、社会のレールが見えすぎる時代に自分を持てあましてしまう焦燥感。 現代社会に生きる若い世代は今、生きること・死ぬことをどう捕らえているのか。少年法の現状に鋭いメスを入れ、すべてが等価値にある「10代の価値観」「若者の気分」をそのままに、鮮やかに舞台化。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1986年7月の旗揚げ公演以来、2008年7月の解散公演(第60回公演)までの21年、古城十忍の作・演出による作品を上演。2009年よりワンツーワークスとして活動を再開する。
会社でうだつのあがらないトキオは、レイコに思いを寄せながら、自分が彼女にふさわしい男だと思えない。ある日、永遠の時を手に入れられるという「神になる本」を目にしたトキオは、輪廻転生を信じ、意を決してビルから飛び降りる。こうして生死を超えて、愛する人を追い続けるトキオの旅が始まる。だが、それは「オイディプス」「ロミオとジュリエット」、はたまた「サザエさん」といった、すべて「あらかじめ用意された物語」を
歯痛、吐き気、生理不順……。人気作家・早智子の体を次々と異変が襲う。歯科・内科・産婦人科と、病院を転々と渡り歩いても原因はつかめない。だが理由は明白。早智子は尋常ならざる拒食と過食を繰り返していたのだ……。スリム(S)とファット(F)という身体の変化を繰り返す中で、早智子が自分の心の奥底に見たものは……? とどまることを知らない世のダイエットブームを背景に、過酷なダイエットに走る現代女性の深層心理
ハンドル名「ヤリタイ」「シタイ」「小夜子」「天涯孤独」の4人が初めて直接会う「オフ会」が近いというのに、シタイからの連絡が途絶えてしまい、ある日、仲間全員にシタイから謎のEメールが届く。指示に従ってヤリタイたちが手に入れたのは、白い粉の入った謎の小瓶……。シタイは何の目的で白い粉を送ってきたのか? シタイは今どこにいるのか? そもそも、白い粉は何なのか? オンラインとオフライン。イメージと現実。
晴れた日の野球場。企業対抗野球選手権に、名もなき中小企業が進出した。即席応援団も勢いに乗るところだが、試合が始まると言うのに人が集まらない。どうにか応援団の形が整ったもののかり出された駆り出されたのは一癖も二癖もある個性豊かな社員ばかり。当然のごとく、仕事への不満、オフィスラブ、出世競争など人間関係の愛憎劇が次々に繰り広げられていく。そして肝心の試合も二転三転・・・。果たして、試合の行方はどうなる
