時は1980年。落合勝利35才。大工をしながら建築士の資格を取ろうと定時制高校に通っている。担任の小坂麗子は29才。教育熱心だが色気も愛嬌もなく、生徒たちにも煙たがられている。そんなある日、生徒の一人が持ち込んだ週刊誌には、麗子先生が九州にいられなくなったある事件が報じられていた。さあ、教室は大騒ぎ。麗子先生にひそかに思いを寄せていた勝利は、先生を守るため番長に決闘を挑む…。
佐賀県唐津の専業農家。父の急死で一家の命運はズシリと長男の肩にかかってくる。財産分けをねらって乗りこんでくる叔父、都会へ出た弟妹たちの遺産相続をめぐる思惑もうずまき、嫁、姑の対立も深まる。赤裸々な人間の姿をユーモア豊かに描き、「日本農業」の現状と明日を問う。1997年まで全国巡演を行い、公演数は300回を数えた。
教科書出版会社を舞台に、人間の良心と外部からの圧力との葛藤のドラマ。千田是也、ふじたあさや、青年劇場のトリオが、一冊の教科書づくりにかける男たちを通して、今日の教育に迫る。
金権政治家、棚岡格兵衛をやっつける爆笑喜劇!!「ロッキード疑獄事件」を題材に、田中金権政治の内幕を風刺するこの上演は、マスコミにも大きく取り上げられて爆発的な人気を呼び、田中角栄の地元新潟ほか各地でも上演した。飯沢匡と青年劇場の出逢いの作品。
「多すぎた札束」「夜の笑い」に続く飯沢匡と青年劇場が贈る風刺喜劇。金大中事件にまきこまれ平和そのものだった婆さんの家庭はすっかりひっくり返ってしまうが、気丈な婆さんは市民の知恵を振り絞りクイズ番組を逆用して巨悪の根源に迫っていく。
”KDD事件”から想を得ておくる爆笑風刺喜劇。
「愛とは」「結婚とは」そして「人生とは」をヒューマンなタッチで描く”ネアカの喜劇”
1951年、瀬戸内の小島。広島で被爆し九死に一生を得た栗原学は、教師の仕事を続けながら将来のことを思い悩む。朝鮮戦争の軍需景気に支えられている島の生活。同僚や東京で働く同級生の言葉。そして教え子の存在…。1957年に劇団民藝で上演され大きな反響を呼んだ傑作を、青年劇場ならではのアンサンブルで、さわやかに描き出す。
わずか一週間で草案を作成したGHQ民政局員たちがいた。ジャズの名曲にのせて描く日本国憲法誕生の舞台裏。1946年2月4日、東京日比谷のGHQ(連合軍総司令部)の一室に集められた25名の民政局員は、22歳のベアテ・シロタをふくめ20代から50代の多士済々。機密厳守の命令の下、直ちに立法、人権、天皇などの7つの小委員会に配属される。今、まさに日本国憲法を生み出す作業が始まろうとしていた!2015年、別
ところは関東のある小都市、某不動産会社のバックアップで、リゾート開発をめざしていた保守党の市長が、愛人宅で急死した。後援会が後継者選びに苦心する間に、反対派閥の県議がはやばやと立候補を宣言し、不動産会社もそっちへ寝返る。あわてた市長派は、大学助教授である市長の娘婿に白羽の矢を立て、東京から呼び戻した。理想家肌の助教授は、教育文化都市の建設を説き、クリーン選挙を条件として立候補を承諾した。ところが選
昭和15年、朝鮮・水原(スウォン)郡。日本政府による「創氏改名」の任にあたる日本人青年と、親日家でありながら改名を拒んでいる地主。その家に700年に渡り伝えられる、一族の系譜がつづられた「族譜」に圧倒されながらも説得を重ねるが、やがて地主の周辺で日本政府による圧力がかかり始める…。朝鮮半島における「創氏改名」政策の真実を描いた原作を舞台化。国家と文化のありようを問う。
「学校はどちら?」って聞かないで…。花房市にある名門の県立花房高校と落ちこぼれの私立花房学園。その花房学園での文化祭で、いま、何かが起ころうとしている。NHKで放映され、大反響を呼んだドラマを作者自らが演出し舞台化。以来2000年のさよなら公演まで1050回の上演を数えた。
佐賀県唐津市の郊外で先祖代々の土地を守り続けてきた専業農家。息子はアメリカに留学し、佐賀の農業大学で講師を務めながら農山漁村と都会の交流をめざす新しい観光業に燃えている。そんな折、農業高校からホームステイで受け入れた高校生はコンビニ依存で…。クローン牛に遺伝子組み換え、ダイオキシンに環境ホルモン。農業を取り巻く環境が大きく変わる中、食の安全を求めて「身土不二」の教えが再び浮かび上がる…。
「最期」を生きる苛烈な闘いの中に愛と生命の限りない尊さを謳いあげる。冬・12月。ある「ホスピス」に中年サラリーマン・森道夫が妻に連れられて入院してくる。そこには癌に冒され、残された日々を生きる様々な境遇の人がいた。今、クリスマスを前にロビーでは、病院あげて”補陀落渡海僧”の芝居を上演しようと話が盛り上がっていた。そして…。
太平洋戦争末期、日本の敗戦を見通しながらも対応に追われる一人の皇族と、戦況を憂い、人心を一新して本土決戦に備えようとする将軍。一方、戦争に一人息子を召集され、悶々の日々を送る下町の靴職人。この靴職人が屑屋に売り払った「伝家の宝物」をきっかけにこの三人が出会うことになるが…。戦後50年、飯沢匡追悼公演として、飯沢喜劇の代表作を上演。2019年、別演出にて再演。
1991年2月4日、早朝。天草・鬼木岬の民宿。一人の男が変死体で発見された。年齢は68歳。男は毎年この日、民宿の主人と二人「椰子の実」の歌を歌い、たおれた戦友を弔ってきた。県警による捜査が開始された。自殺か他殺か。疑いは連れの女、二人を追ってきた妻、そして民宿のすべての人々に向けられる。千田夏光氏の作品をもとに、あの戦争体験を若い世代に語り続けてきた瓜生正美が贈る社会派推理劇。
青年が死んだ。死因は心臓マヒ。26才、未来産業としての原子力にあこがれ、原子力発電所に就職して、七年目の死だった。息子はなぜ死んだのか。母親の、なりふりかまわぬ追求で知られていなかった事実がつぎつぎと浮かび上がる…。息子を思う母親のひたむきな愛があきらかにした原発の真実!1982年には福島や新潟、福井をはじめ、原発所在地や建設予定地など、日本縦断公演を実現。