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1991年、イギリス公演を行った第三舞台の『天使は瞳を閉じて』、凱旋公演を収録。放射能や宇宙線によって荒廃した世界。奇跡的に生き残った人間たちの街は、ドーム状の膜のような「透明な壁」に守られていた。住民たちは陽気で優しく、幸せそうだ。そんな彼らを見た一人の天使は、人間になってこの街の暮らしに溶け込んだ。そんな街を、もう一人の天使が見守っている。こちらはいかにも天使らしく、ただ見つめるだけ。変わらな
舞鶴に生まれ育った姉妹「みちよ」と「すみ」。二人の従姉妹で同じ家に住む「あきえ」。三人の女性の恋模様を、戦前の記憶、戦中の傷、戦後の生活とともに描きます。昭和を駆けぬけ、常によりそって生きてきた女性達の人生の記録。2018年~2020年に京都府舞鶴市で実施した「まいづる物語プロジェクト」。その集大成として執筆されるも、コロナ禍により上演できなかった戯曲『よりそう人』を、劇団で初上演した作品。
古くから働く人々の生活の喜怒哀楽の中から生まれた「祭り」でおこなわれてきた太鼓や踊り・唄や和楽器といった民族芸能を中心に構成した作品。自然との共生、恵みへの感謝を込めた「実りの祭」、生活の喜怒哀楽に込めた「祈りの祭」、自然災害や疫病など困難を力を合わせて乗り越えてきた人々の「命のまつり」というテーマで、日本の北から南までのさまざまな芸能が盛り込まれた構成。明日を生きる力に満ちあふれた作品。
2020年第20回AAF戯曲賞特別賞を受賞した作品。コロナ禍による緊急事態宣言中の2020年の日本を主な舞台に、当時を生きた人々へのインタビュー、ニュース、社会情勢をもとに書かれた50本の短編作品を、長編として編纂したもの。緊急事態宣言中にDV避難を余儀なくされた若者を軸に展開される、コロナ禍を舞台にした群像劇。
四国の田舎で隕石を拾った天文マニアの男たちの物語。その隕石は見た者の思考を奪い、時間を止めてしまう。誰かの手を借りない限り目をそらすことはできず、一人で見たら最後、餓死するまで見続けることになる。もう一つの特徴は、見た者に恐ろしいほどの幸福感を与え、見た時間の記憶は無く、ただ幸福感だけが残される。天文マニアと隕石の出会いから、100年後の行く末までを、日常がズレで大状況になっていく「イキウメ・スタ
ロームシアター京都 × 京都芸術センター U35創造⽀援プログラム“KIPPU”
「村八分」「集団農場」「ブラック企業」といったムラ社会的な閉鎖コミュニティを舞台とした〈集団暴力シリーズ〉の集大成的作品。雪深い山奥にひっそりと佇む民宿を舞台に、野生動物たちと共生する一族と、村の人々との衝突を描く。過去シリーズにも通底していた「家族」というモチーフを前景化し、それらを繋ぐ「食」という営みに焦点を当てながら、原始的かつミニマムな共同体の呪いと可能性へと切り込んだ。
あの日、変わらぬ信号を待っていた。青い空に赤信号、それは太陽だったかも知れない。押されないボタンのせい、でも私たちはそれに気づかない。そこから時間はたったのか、それとも刹那。ばらばらの断片を、とんとんと揃えたら。だれだろう。向こうにいるのは。だれだったろう。向こうにいたのは。
「一緒にお散歩しませんか?」ゆっくりと自分の感覚に意識をむける。土地と空気に呼応するための演劇を創ります。本企画は、野外を「歩きながら環境に応答すること」が核となったパフォーマンスです。地元住民の語りを聞きながら幾つかの土地巡ることで、その地に纏わる語り手の往時の記憶や過去の自分を想起する体験を創出しようと考えています。
これは、 どこにでもある町の、よく眠ることができる夫婦の、 ある「静かな一日」のお話です。でも本当は「静かな一日」など、どこにもありません。私たちが住んでいる現実に「静かな一日」が、どこにもないっ!のと同じように。私たちは後ろ向きになって、徐々に、南に傾いていく家を見上げながら、日陰を選んで、畏れを飲み込み、日々を生きます。形は決して残りません。形は決して残りません。日々を、私たちはただ日々を積み
椿組2023年夏・花園神社野外劇
初演のタイトルは「椿説・丹下左膳」―――まだ「はみだし劇場」の頃、1981年の京王線・八幡山の空き地で繰り広げられたテント芝居の原っぱの上だった。懐かしい。片目片腕の剣士が野原を駆け回って大活躍していた。「ちゃーん!」の呼び声に応えて!!あれから42年、世の中そんなに変わっちゃいない、むしろ荒涼とした酷い世の中になってしまった。新しい戦前もすぐそこか・・・。ここはもう一度、左膳に登場してもらい世直
TRASHMASTERS vol.34
とある町の、台風による水害に苦しむ地方の、公民館。その日も台風は勢力を保ったまま接近していた。そこには青年団のメンバーが、祭りの開催について協議するために集められていた。祭りの開催から、災害対策、人命の格差まで話は及び、会議は紛糾する。やがて会議は終わり、解散したのだが……付近で土砂崩れが発生し公民館は停電、町の中心からも孤立する。そこに、土砂崩れに巻き込まれた青年団員が運び込まれてくる……
椿組2021年夏花園神社野外劇
1964年の東京オリンピックに向け、急ピッチで作られていた新幹線!戦後日本の復興の証としての国家事業だった。ここ新丹那トンネル工事の現場では難題山積みとなっていた。そこに若い男がやって来て事件が!そして今、箱根駅伝のエピソードと時を越えて繫がっていく・・・。かの昔、熱海の初島に伝わる龍神伝説も!そんな幾つかの「物語」が時空を越えて閃光となり駆け抜けていく!!
『デカメロン』は14世紀のペストの流行拡大を背景に書かれた。では現代、コロナの騒擾を抜けだしたら私たちは何を語りあうのか。舞台は避難所。疫病、戦争、災害――人々が何から逃れているのかははっきりしない。舞台上では『人類への提言』という鼎談がおこなわれている。そこに突然闖入してくる『デカメロン』の中の物語、あるいは脈絡のない言葉の朗読。場面と場面の行間から私たちを取り囲む「悪夢」が見えて来る。
英国の小さな田舎町で平穏な年金生活を送っていたジムとヒルダの老夫婦。ある日突然ラジオから戦争勃発を伝えるニュースが流れ、ジムは大慌てで政府発行の“戦争に生き残るための手引き”と首っぴきで室内用核シェルターを作り始める。ヒルダの方は戦争など他人事、ひたすら家事に夢中でどっちが勝つと思う?など呑気な話をしている。二人にとって戦争といえば第二次世界大戦の思い出だけで核戦争の実感は少しもないが、政府のいう
いのちのかたりつぎ 〜色とりどりの物語がつむぐ、震災のこと〜
津波に飲み込まれていく車を運転する男とAI搭載のカーナビゲーションとの最後の会話−震災直後の壮絶な緊張感の中で消え入るいのちの灯火。被災地で生まれたラジオドラマ作品を、3.11を描いた作品に向き合い続けた表現者たちが結集して舞台作品に昇華させた。時間が経ったからこそ向き合えることを、改めて言葉にして次の世代へ語り継いでいきたい。
突如現れた「アレ」によって避難指示区域となった街。高校二年の春から、かれこれ二十年引き籠もり続けるニシダ君はわずか十日で出産する謎の女ミクニとともに「軍隊作り」に着手する。そんな中、妹サチコは自分たちを捨てた父と密かに文通を始めるのだった。消えゆく風景と記憶。遠くの教会から届く鐘の音が呼び起こすのは、母が語った福音書―。伊豆野眸「家族三部作」の第二章。
いのちのかたりつぎ 〜色とりどりの物語がつむぐ、震災のこと〜
海辺のある小学校の机の上には9年間そのままになっていた一本の牛乳瓶がありました。”フクシマ”と呼ばれた被災地の、過去・未来・現在の時空を超える言葉をつむぐ命の合唱。福島で活動し、第1回「ニュンク・レビュー・ポエトリー賞」外国語部門等受賞歴のある詩人・和合亮一の詩をもとに、東北に縁のある出演者・スタッフにより制作された作品。本当に祈るべきものは、未来にある。
「マスク」の舞台となるのは、JR 常磐線の車内。登場人物は、異なる時を生きる高校生たちである。2020年5月15日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除された翌日、感染症対策のためにマスクを着用して登校する高校生たち。2011年5月14日、放射線防護のためにマスクを着用し、避難先からサテライト校に通う高校生たち。2011年3月10日、マスクを着用せずに下校する高校生たち。出来事は過去に編入される
おそらくは誰もが子どもの頃、一度は遊んだことがあるシーソー。その語源はsee「見る、反復する」+saw「のこぎり、前後に動かす」らしいですが、この"see"と"saw"という現在と過去の単語がひとつになったこの言葉からは、さまざまな記憶のイメージが浮かんできます。ギッタン、バッコンと上になったり、下になったりを繰り返しながら、それぞれの高さで、僕らはそこからなにを見ていたのでしょうか?そしてそのと
1組のカップルが暮らす部屋のリビングに、共通の知人がふいに現れる。彼女が死んでいることを2人はもう知っていて、けれどもそれを迎え入れる。つかの間の再会と乾杯。なぜか、家に帰れなくなったという見ず知らずの他人も後から合流して過ごしていると、生きるものと死んだものの境目が溶け合って、いつの間にか夜が明ける。
■あらすじ太古より山に住む謎のいきもの・獸(ケモノ)。〈青い山〉と〈白い山〉の間を走る、大きな谷の集落に住む山のひとびとは、獸ととくに接することなく、しかし存在は常に感じながら、日々共に生活してきた。あるとき、獸ははじめて人を殺す。憤った集落の男たちは討伐に向かうが、皆返り討ちに遭う。生き残った数少ない者たちは獸を恐れ、集落を捨てて山を降りる中、猟師・シラスは鋭い目で森を睨みつけながら 山を登り続
TRASHMASTERS vol.35
とある町。原発の産業廃棄物受け入れによる交付金で図書館や劇場など公的機関の建設を目論む首長は、受け入れに対する反対勢力との会合に参加した。会合は互いに相容れず散会に終わる。やがて、産廃を受け入れて町興しをしようとする市長側と、反対勢力の間で町が二分する……。震災から10年が経ち、東北では原発が再稼働するという。これは幸福か、それとも……。狂おしいほどに駆け引きが横行する町に未来はあるのか……。
シシオドリ発祥の地、といわれている三陸の伝承を元にした爽快なサバイバルコメディー。万葉集EDMあり!伊達商人ヒップホップあり!漁民ラテンロックあり!江戸時代の仙台藩を襲った慶長の大津波を題材に、苦境の中、いきいきと前を向く人々を通して、未来を担う子どもたちに「いのちの輝き」を伝えます。三陸沿岸地域は太古から、数多の災難に見舞われてきました。冷害、疫病、飢饉、・・・そして津波。それなのに、なぜ今日ま
舞台は、ある地方都市。市の中心を流れる大きな「三宮川」が次第に水かさを増している。市の防災対策課では避難勧告の決断が下せない。やがて支流が氾濫、やがて一気に水かさを増した三宮川が決壊し、市役所へとあっという間に押し寄せてくる……。「災害対策の危うさ」をベースに描きながら、「非常事態が迫っていることを人はなぜ実感できないのか」「その想像力の欠如の原因となっているものは何か」。自然災害を目の前にしなが
コロナリポート
Sign:忙しなく動き続ける体と、短時間に凝縮した数多くの身振りで構成された10分間のダンス。振付を覚え練習することで、コロナ禍の滞留した時間を前に進めることを目的に制作された。Out:neji&co.のプロジェクト最終作。俳優によって上演されるテキストを用いた作品。2020~2023年を振り返りながら、過去から現在を通過した未来まで、私たちの生の「外」にある時間を想像する。
本作『ストリーム』は、コロナ下で起こった時間感覚の変化をテーマに制作された三部作『Sign』『Cue』『Out』のスピンオフとして、2020年から現在までの出来事を元にした、捩子のモノローグで構成されたソロ作品です。芸術活動、仕事、病、子育て、戦争、経済、死、ダンス…コロナだけではない、私たちの日常と生に並走する様々な“with-ウィズ”について話すことからパフォーマンスを立ち上げます。
「2011年の日本を映し出す鏡」と評されるなど、東日本大震災による被災地の状況や、原子力発電に依存し続ける我が国が抱えるエネルギー問題に対し、正面から向き合った作品。
放浪生活を続ける作演出の実体験を元に作られた、異国の密室劇。学生時代に行った初演が好評を博し、4度目の再演。中東の安宿を舞台に、バックパッカーたちが集う。青年団の冒険王を彷彿とさせるが、舞台はその数十年後。あり得なく見えて、ものすごくあり得る話。パスポートを申請して、飛行機の切符を買って、成田エクスプレスに乗って。そしたら着いた。マジで着いた。バザールが立ち並び、街中には水パイプの香り。笑顔でよっ
色彩シリーズ
「小さな差別や偏見がやがて大きな戦いを生み出す」舞台は2001年9月アメリカ同時多発テロ直前のニューヨーク。 仙台の出版社に勤務する男がリフレッシュ休暇を利用してニューヨークを訪れた。「東洋人の中年男性絵画モデル募集」のアルバイトに応募する。モデルを探していたのはダウンタウンにアトリエを持つ女流画家。「家族の肖像」と題する作品制作のため、デッサンをしながらふたりはお互いを理解していく
日本にはさまざまな芸能があります。太鼓や踊り、唄や和楽器で綴られる芸能の多くは「お祭り」の中で囃され踊られてきました。そうした芸能には人々の生活の喜怒哀楽の思いが込められています。「天下泰平」「家内安全」世の中が平和でみんなが無事に暮らせますように。「五穀豊穣」作物がたくさん実りますように。自然と共生し、自然の恵みに感謝し、さまざまな困難には力を合わせて協力して乗り越え、平和で豊かな暮らしを作って
コロナリポート
パフォーマーの入退場、音響や照明の変化などの舞台作品における様々な行為のきっかけ・手掛かり・合図を「キュー」と言う。Go To/Stay Home、緊急事態宣言発令/解除等、反復し持続する現在の「外」に出ることを体で試みるダンス作品。2021年初演。コロナリポート三部作『Sign』『Cue』『Out』。
物語は2001年から始まる。アマチュア天文家の二階堂と山田は、近所の山に落ちた隕石の破片を拾う。その隕石は、見る者に恐ろしいほどの幸福感をもたらす。一度目にしたら夢中になり、思考を奪い、目をそらすことができない隕石。その後、あらゆる都市に巨大な柱が降り注いだ。それは人々にあきれるほどの祝福を与え、静寂のうちに支配した。世界は大きく変わり、長い時間が経った今も、柱は人の生活を寄せ付けない。柱は人間に
QoiQoi第3回本公演、文化庁AFF2採択。2020年から続けている福島県でのリサーチをもとに、家族の心のつながりを描いた意欲作。あらすじ今から遠い遠い未来の話。父親の死がきっかけで、10年ぶりに実家に帰ってきた長男、与人。与人の帰りをよく思っていない弟、愛生。2人を見守る母、聡子。あの時の事故で壊れた家族の歯車が、再び前に進み出す。
椿組2017年夏・花園神社野外劇
江戸時代に実際に起こった史実とフィクションをごちゃまぜにして、秋之桜子(西瓜糖)が念願の花園神社の地に描く、歌あり踊りあり喧嘩ありの時代劇ファンタジー!!2017年の夏!!老若男女が楽しめる椿組発エンターテインメント!!今世(いまよ)より二百余年の歳月さかのぼる、むかしむか〜しの物語。鬼山さまと呼ばれる火の山の麓に「鬼の里」がございました。が、ある日、江戸の町から新しい風が吹き込んで来たからさ〜大